開業・フランチャイズ
2026.02.27
フランチャイズの違約金が払えない時の対処法とは?減額・免除されるケースはある?
もくじ
フランチャイズ契約を解約する際や契約違反があった際に請求される違約金。数百万円超える金額を提示されてしまい、途方に暮れている方も少なくありません。しかし、過去の判例では、高額すぎる違約金が減額されたり無効と判断されたケースもあります。本記事では、違約金が払えない場合の具体的な対処法を解説します。
フランチャイズの違約金が発生するケース

フランチャイズの違約金はどのような場合でも発生するわけではありません。ここでは、フランチャイズの違約金が発生する主なケースを紹介します。
契約期間中の中途解約
最も多いケースが、契約期間中の中途解約です。フランチャイズ契約は通常、数年単位で契約期間が定められています。この期間内に自己都合で解約する場合、違約金が発生することがあります。
違約金の金額は契約内容によって異なり、残存期間分のロイヤリティ相当額や一定の違約金が定められていることが一般的です。契約前に、解約条項を必ず確認することが重要です。
ロイヤリティや支払い義務の不履行
ロイヤリティや広告分担金などの支払いを滞納した場合も、違約金や損害賠償請求の対象になることがあります。支払い義務は契約の基本事項であり、これを怠ると契約違反とみなされます。資金繰りが厳しくなった場合でも、無断で支払いを止めるのではなく、本部に相談することが望ましいです。
営業ルールやブランド基準への違反
フランチャイズでは、本部の定めたマニュアルやブランド基準を守ることが義務付けられています。独自の価格設定や無断でのメニュー変更、指定外商品の販売などは契約違反に該当する可能性があります。重大な違反と判断された場合、契約解除とともに違約金が請求されるかもしれません。日常的な運営においても契約内容を遵守する姿勢が重要です。
競業避止義務への違反
契約終了後も一定期間、同業種での営業を制限する「競業避止義務」が定められていることがあります。この義務に違反して類似事業を開始した場合、違約金や損害賠償が発生する可能性があります。契約終了後の事業計画も見据えて、競業避止条項の内容を事前に確認しておくことが大切です。
秘密情報の漏えい
フランチャイズ契約では、ノウハウや営業情報などの秘密保持義務が課されます。これらの情報を第三者に漏えいした場合、重大な契約違反となり、高額な損害賠償請求につながることがあります。従業員への情報管理教育も含め、秘密情報の取り扱いには十分注意が必要です。
フランチャイズの違約金の相場

フランチャイズの違約金に法律で決まった金額はなく、契約書の内容によって大きく異なります。一般的な目安として、コンビニはロイヤリティの24〜48ヶ月分、飲食店は12〜36ヶ月分または固定で300万〜800万円程度です。
スポーツジムのフランチャイズは初期投資額が大きく契約期間も5〜10年と長めのため、違約金も他業種より高額になる傾向があります。24時間営業のジムチェーンでは、ロイヤリティの36〜60ヶ月分を違約金とする契約も珍しくありません。
フランチャイズの違約金が払えない場合の対処法
フランチャイズ契約を途中解約した場合などに発生する違約金は、高額になるケースも少なくありません。想定外の請求により「支払えない」と悩む加盟店オーナーもいます。しかし、何も対応せず放置すると、遅延損害金や法的措置に発展する可能性があります。ここでは、フランチャイズの違約金が払えない場合の主な対処法を解説します。
まずは本部に相談し分割交渉を行う
支払いが困難な場合、まず行うべきなのは本部への相談です。無断で支払いを止めるのではなく、現状の資金状況を正直に説明し、分割払いへの変更や支払期限の延長を交渉することが重要です。本部側も回収不能になるよりは分割でも回収できる方が合理的と判断する場合があります。誠実な姿勢で早めに相談することが大切です。
違約金の妥当性を確認する
契約書に記載された違約金が、法律上妥当かどうかを確認することも大切です。過度に高額な違約金は、場合によっては減額が認められる可能性があります。弁護士などの専門家に契約内容を確認してもらい、減額交渉の余地があるか検討することが有効です。契約書の条項を正確に理解せずに支払いを決断するのは避けましょう。
専門家へ相談する
フランチャイズ契約は法律的な要素が強いため、自己判断だけで対応するのは危険です。弁護士や中小企業診断士など、フランチャイズ問題に詳しい専門家へ相談することで、適切な対応策が見えてきます。状況によっては、支払い条件の再交渉や法的整理も検討する必要があります。
資金調達の方法を検討する
分割でも支払いが厳しい場合は、金融機関からの借入や事業再構築支援など、資金調達の可能性を検討することも1つの方法です。しかし、新たな借入は大きな負担にもなるため、慎重に判断するようにしましょう。一時的な資金繰りの改善と長期的な返済計画のバランスを考慮することが重要です。
法的整理を検討するケースもある
どうしても支払いが不可能な場合、債務整理や破産などの法的手続きを検討するケースもあります。しかし、これは最終手段であり、信用情報や今後の事業活動に大きな影響を及ぼします。安易に決断せずに、必ず専門家と相談しながら判断することが必要です。
フランチャイズの違約金が減額・免除される可能性があるケース

「契約書に書いてあるから必ず払わなければならない」と思い込んでいませんか。実は過去の裁判では、違約金条項が無効とされたり大幅に減額されたケースが数多くあります。ここでは、違約金が減額・免除される可能性があるケースを紹介します。
違約金が「高額すぎる」と判断される基準
民法では、違約金が「本部に生じる平均的な損害額」を大きく超える場合、公序良俗に反して無効または減額されることがあります。
過去の判例では、東京高裁で平成8年3月28日に出された判決では、ロイヤリティの120ヶ月分の違約金が「著しく高額」と判断され30ヶ月分まで減額されました。また横浜地裁での平成29年5月31日の判決では、36ヶ月分の違約金が「高額に過ぎる」として6ヶ月分に減額されています。一般的に、ロイヤリティの24〜36ヶ月分程度までは認められやすく、60ヶ月分以上になると減額される傾向があります。
本部側に契約違反や義務不履行がある場合
本部側にも問題があった場合、違約金が減額・免除される可能性が高まります。例えば、契約時に説明された経営指導が提供されなかった、安定した商品供給がされず営業に支障が出た、売上予測が客観的根拠のない過大な数字だった、といったケースです。本部とのやり取りの記録は証拠として重要になります。
契約時の説明不足・錯誤が認められる場合
東京高裁で出された平成7年2月27日の判決では、違約金500万円の条項について「契約時に説明がなかった」「加盟店が投資したばかりで拒否が困難だった」などの理由から、違約金条項そのものが公序良俗違反で無効と判断されました。法定開示書面が交付されなかった、違約金条項について十分な説明がなかった、重要な契約条件について虚偽の説明があった、といった場合は契約の無効や違約金の免除が認められる可能性があります。
違約金が払えなくても諦めないことが重要
フランチャイズの違約金は、契約内容によっては数百万円から数千万円に及ぶこともあり、大きな経済的負担となります。しかし、「契約書に書いてあるから絶対に支払わなければならない」と決めつけるのは避けましょう。実際の裁判例では、違約金が高額すぎるとして減額されたケースや、条項自体が無効と判断されたケースも存在します。
まず重要なのは、違約金が発生した理由と契約条項の内容を正確に把握することです。その上で、本部との分割交渉や支払条件の調整を行いましょう。同時に、違約金の妥当性について専門家に確認し、減額の可能性がないか検討することも大切です。違約金問題に直面した場合でも、正しい知識と適切な対応を取ることで、負担を軽減できる可能性があります。放置せず、早期に行動することが何よりも重要です。
この記事の執筆者
スポーツジムFanClub編集部
スポーツジムFanClubは、フィットネス業界に精通した専門チームが運営する総合情報メディアです。「フィットネスを楽しむ人」には最適なジム選びの比較情報を、「提供する人」にはフランチャイズ開業の成功ノウハウを、現場視点で発信しています。業界の健全な発展と、フィットネスに関わるすべての方の毎日がより豊かになるよう、信頼性の高い情報を全力でお届けします。
