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2025.12.25
パーソナルトレーナーの資格はどれがいい?上級資格も紹介!
もくじ
パーソナルトレーナーを目指すうえで、「資格は本当に必要なのか」「無資格でも働けるのか」と疑問に感じる方は多いでしょう。実際、パーソナルトレーナーには国家資格のような必須資格はなく、資格がなくても活動すること自体は可能です。
しかし、パーソナルジムの採用現場や顧客からの信頼獲得を考えると、資格の有無は大きな判断材料になります。特に未経験からパーソナルトレーナーを目指す場合、資格は知識とスキルを客観的に証明する重要な要素です。本記事では、パーソナルトレーナーに資格が必要とされる理由、資格を取得するメリットなどを詳しく解説します。
パーソナルトレーナーに資格は必要?
パーソナルトレーナーとして活動するために、法律で定められた必須資格は存在しません。そのため、資格を持っていなくてもパーソナルトレーナーを名乗ることは可能です。しかし、実際はほとんどのパーソナルジムが採用条件として「パーソナルトレーナー関連資格の保有」または「実務経験2~3年以上」を設定しています。ジム運営側としては、資格保有者のほうが安心して採用できるというのが実情です。
資格取得には体系的な専門知識の習得が不可欠であり、資格を持っていることはトレーニング指導や栄養管理、健康チェックに関する正しい知識を有していることの客観的な証明となります。顧客からの信頼獲得はもちろん、誤った指導で怪我をさせるリスクを最小限に抑えるためにも、資格取得は強く推奨されます。
さらに資格取得のための学習は、パーソナルトレーナーとして学ぶべき基礎知識を体系的に身につける機会です。基礎が備わっていることで、さらに応用スキルを身につけ、パーソナルトレーナーとしてのレベルを向上させていくことができるでしょう。
パーソナルトレーナーが資格を取得する3つのメリット

パーソナルトレーナーが資格を取得することには、キャリア形成においてさまざまなメリットがあります。ここでは代表的な3つのメリットについて詳しく解説します。
就職・転職で有利になる
パーソナルトレーナーが資格を取得すると、就職や転職活動において大きなアドバンテージとなります。多くのパーソナルジムでは採用条件に資格保有を明記しており、資格があることで選考を有利に進められるケースが多いです。
特に未経験からパーソナルトレーナーを目指す場合、資格は専門知識を有している証明となり、採用担当者に安心感を与えられます。実務経験が少ない段階では、資格の有無が採用の可否を左右する重要な要素となるでしょう。また、資格保有者には資格手当が支給されるジムもあり、同じ職場でも収入アップにつながる可能性があります。キャリアアップや昇進の際にも、資格は客観的な評価基準として機能します。
顧客からの信頼獲得につながる
パーソナルトレーナーを選ぶ際、経歴や実績とともに資格の有無を重視する顧客も多いです。資格を保有していることは、トレーニングや身体に関する正しい知識を持っているという客観的な証明となり、顧客からの信頼を得やすくなります。フリーランスとして活動する場合はもちろん、ジムに所属している場合でも、顧客から「この人に指導してもらいたい」と選ばれるためには信頼が欠かせません。
特に競合が多いエリアでは、資格を持っているかどうかが他のトレーナーとの差別化ポイントになります。顧客の大切な身体を預かる職業だからこそ、専門性を証明できる資格の価値は高いといえるでしょう。
体系的な専門知識を習得できる
資格取得に向けた学習を通じて、解剖学、運動生理学、栄養学、トレーニング理論など、パーソナルトレーナーに必要な幅広い知識を体系的に習得できます。独学で断片的に学ぶよりも、資格取得というゴールに向けて計画的に学習することで、知識の定着度が高まります。
正しい知識を持つことは、効果的なトレーニングプログラムの作成につながるだけでなく、顧客の怪我を防止するためにも重要です。無理なトレーニングや間違った指導方法で顧客に怪我をさせてしまうことは、トレーナーとして最も避けるべき事態です。
また、資格取得で得た基礎知識があるからこそ、さらに高度な応用スキルを身につけることができます。継続的なスキルアップの土台として、資格取得による体系的な学習は非常に価値があります。
初心者におすすめのパーソナルトレーナー資格3選

未経験からパーソナルトレーナーを目指す方には、取得しやすく知名度も高い資格がおすすめです。ここでは初心者に適した3つの資格を紹介します。
NESTA-PFT(ネスタ)
NESTA-PFTは、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会が認定する資格です。世界80ヶ国で約7万人のトレーナーが取得しており、国際的な認知度が非常に高いのが特徴です。
この資格の大きな魅力は、トレーニング指導や栄養学といった専門知識だけでなく、ビジネススキルやコミュニケーション能力も学べる点です。顧客獲得のためのマーケティングスキルや接客対応まで習得できるため、フリーランスとして独立を目指す方にも適しています。
受験資格は比較的取得しやすく、高校卒業以上で一定の条件を満たせば受験可能です。事前講習を受講してから認定試験に臨むという形式で、合格率は50~60%程度とされています。教材費や受験料などを含めた総費用は約8万円程度で、独学でも十分に合格を目指せます。
NSCA-CPT(エヌエスシーエー)
NSCA-CPTは、全米ストレングス&コンディショニング協会が認定する資格です。1993年に認定試験が開始されて以来、国際的に最も信頼性の高いパーソナルトレーナー資格の一つとして認知されています。
この資格では、年齢、性別、経験など多様な顧客に対応したトレーニング指導能力を証明できます。医学的・運動生理学的な専門知識とともに、トレーニング技術、栄養管理、健康評価など幅広い知識を習得可能です。
受験資格は18歳以上、高校卒業以上で、CPR・AEDの認定を保有していることが条件です。試験はコンピューター形式で、全国のテストセンターで都合の良い日時に受験できる点も魅力といえるでしょう。合格率は約65%で、受験料は約4.6万円です。今回紹介する資格の中では比較的費用が抑えられており、独学での取得も十分可能です。
JATI-ATI(ジャティ)
JATI-ATIは、日本トレーニング指導者協会が認定する国内資格です。日本の団体が認定する資格であるため、国内の現場ニーズや専門家の意見が反映されており、日本人の体質や環境に適した実践的な内容を学べます。
科学的根拠に基づいた適切な運動プログラムの作成や指導方法を習得でき、パーソナルトレーナーの基礎資格として位置づけられています。養成講習会への参加が義務付けられており、段階的に学習を進められるため、合格率が比較的高いのも特徴です。
受験には養成講習会の受講が必要で、講習費と受験料を合わせて10万円以上の費用がかかります。他の資格と比べるとやや高額ですが、JATIが形成するコミュニティで会員間の情報交換ができるなど、取得後のサポート体制が充実しています。
キャリアアップを目指す方におすすめの上級資格
既にトレーナーとして活動している方や、より専門性の高い分野で活躍したい方には、上級資格へのチャレンジがおすすめです。ここでは、キャリアアップを目指す方におすすめの上級資格について紹介します。
NSCA-CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
NSCA-CSCSは、NSCA-CPTと同じNSCAが認定する上位資格です。アスリートやスポーツチームを対象とした、より高度なトレーニング指導能力を証明する資格として位置づけられています。
スポーツパフォーマンスの向上、障害予防、リハビリテーション、栄養指導、施設運営やスポーツ心理学まで、幅広い専門知識が求められます。受験資格には大学卒業または卒業見込みが必要で、NSCA-CPTと比べて取得難易度は高くなります。
合格率は約55%で、基礎科学セクションと実践・応用セクションの2部構成の試験に合格する必要があります。受験料は約5万円ですが、プロスポーツやアスリート指導の現場で活躍したい方には価値の高い資格です。
JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)
JSPO-ATは、日本スポーツ協会が認定する公認資格で、スポーツ現場での安全管理とパフォーマンス向上を支援する専門家を認定します。スポーツ活動中の外傷・障害予防、コンディショニング、リコンディショニング、救急対応という4つの役割を担います。
この資格の特徴は、取得難易度が非常に高いことです。20歳以上で公認団体からの推薦が必要で、共通科目150時間、専門科目600時間、実習180時間という膨大な学習時間が求められます。筆記試験突破後に実技試験があり、全ての過程を経てようやく資格取得となります。
主にアスリートのリハビリテーションや競技復帰支援を行う資格ですが、近年はパーソナルトレーナーとして活動するケースも増えています。スポーツ医科学の高度な知識を身につけたい方に適した資格です。
パーソナルトレーナーが資格を取得する価値は高い

パーソナルトレーナーとして活動するために法律で定められた必須資格はありませんが、実際の採用現場では資格保有や一定の実務経験を条件とするジムが大半を占めています。資格は、トレーニング指導や身体に関する専門知識を体系的に身につけている証明となり、ジム側・顧客側の双方に安心感を与える重要な要素です。
資格を取得することで、就職や転職で有利になるだけでなく、顧客からの信頼獲得や指導の質向上にもつながります。解剖学や運動生理学、栄養学といった基礎知識を正しく理解していることは、トレーナーとして怪我のリスクを抑え、安全で効果的な指導を行ううえで欠かせません。
未経験者にはNESTA-PFTやNSCA-CPT、JATI-ATIといった知名度と実用性の高い資格がおすすめです。一方で、アスリート指導や専門性の高い分野を目指す場合は、NSCA-CSCSやJSPO-ATなどの上級資格に挑戦することで、キャリアの幅を大きく広げることができるでしょう。
