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2022.05.13
新体力テストで高得点を狙え!記録を伸ばすためのコツまとめ
新体力テストで高得点をとりたい!
小学校や中学校の体育の授業で毎年一度行われる新体力テスト。運動が得意な人や体力に自信がある人が毎年楽しみにしている一方で、苦手意識を持っているという人も中にはいますよね。
しかし、新体力テストはコツを掴めば、運動が得意でも苦手でも高得点を狙うことができます。
今回は、新体力テストのそれぞれの種目で記録を伸ばすためのコツをご紹介していきます!
新体力テストとは
まず、新体力テストはどのような目的で行われているのでしょうか。文部科学省によると、新体力テストの目的は、「国民の体力・運動能力の現状を明らかにし、体育・スポーツ活動の指導と、行政上の基礎資料として広く活用すること」とされています。
現行の「新体力テスト」は1999年から実施されているもので、それ以前は「スポーツテスト」という名称で1964年から行われていました。
1964年は東京オリンピック(1回目)が開催された年で、国民の運動への意識が高まっていた時期でもあり、そうした歴史的な背景もうかがえます。
新体力テストには、以下の年齢区分があり、それぞれ実施種目も異なります。
- 6~11歳
- 12~19歳
- 20~64歳
- 65~79歳
本記事では、小学生と中学生の対象になる、「6〜11歳」と「12~19歳」の実施種目について解説していきます。
新体力テストの種目(6~11歳)【小学生】
小学生の新体力テストでは、以下の8種目を行います。
- 握力
- 上体起こし
- 長座体前屈
- 反復横とび
- 20mシャトルラン(往復持久走)
- 50m走
- 立ち幅とび
- ソフトボール投げ
新体力テストの種目(12~19歳)【中学生~】
中学生の新体力テストの種目も小学生とほとんど変わりませんが、「ソフトボール投げ」が「ハンドボール投げ」に変わり、「持久走」が新たに加わります。
- 握力
- 上体起こし
- 長座体前屈
- 反復横とび
- 持久走
- 20mシャトルラン(往復持久走)
- 50m走
- 立ち幅とび
- ハンドボール投げ
種目別のコツ
では、それぞれの種目の詳細とコツを解説していきます!
握力
「握力」は、握力計を用いて握力を測定する種目です。握力計を握り、左右2回ずつ測定して、それぞれ高い方の数値を記録します。
この種目では、運動特性の「力強さ」が重要になり、「筋力」が評価されます。
「握力」の記録を伸ばすコツは以下の通りです。
- 準備運動を念入りにする
- リラックスした状態で挑む
- 声を出す
準備運動を念入りにする
握力の測定では、握力計を瞬間的に強く握ります。いきなり強い力がかかると手首や指などの関節を痛める可能性があるため、準備運動が大切です。手首や指などをしっかりほぐしておきましょう。
また、首や肩にも力が入るので、忘れずにストレッチを行いましょう。
リラックスした状態で挑む
良い記録を出そうとするあまり緊張してしまうと、身体が強張って本来の力を発揮できません。
深呼吸をして心身共にリラックスさせると、筋肉が緩み、血液やリンパの流れが良くなります。落ち着いた状態で挑むことで握る動作により集中できます。
声を出す
スポーツ選手が力を入れる瞬間に声を出しているところを見たことがあるという人は多いのではないでしょうか。
声を出すと力が出やすくなると言われており、プロのスポーツ選手も使っている技です。握る瞬間に声を出してみましょう。
上体起こし
「上体起こし」は、いわゆる「腹筋」の動作で、30秒間に上半身を起こした回数を記録する種目です。
この種目では、運動特性の「力強さ」と「粘り強さ」が重要になり、「筋持久力」が評価されます。
「上体起こし」の記録を伸ばすコツは以下の通りです。
- 顎を引く
- 腰を反らさない
- 全身を使う
顎を引く
顎を引くことで、上体を起こす時に力が入りやすくなります。
逆に、顎が上がっていると身体が開いた状態になり、上体を起こす際に必要な力が大きくなってしまいます。常に顎を引いた状態を意識しましょう。
腰を反らさない
腰が伸びている、または反っている状態だと、腰に負担がかかるため、怪我に繋がりやすく、記録も伸びにくいです。
腰を丸めてリズムよく上体を起こす意識で行うようにしましょう。
全身を使う
上体起こしでは、腹筋だけに意識が集中しがちですが、全身の筋肉を使う意識の方が記録が伸びます。
特に、太ももの筋肉を使うことを意識して上体を起こす際に踏ん張ると、よりスムーズに起こすことができます。
長座体前屈
「長座体前屈」は、足を伸ばして背中を壁につけた状態で座り、測定器を両手の親指で押し、測定器が移動した距離を測る種目です。
測定は2回行われ、移動距離が長い方が記録されます。
この種目では、運動特性の「体の柔らかさ」が重要になり、「柔軟性」が評価されます。
「長座体前屈」の記録を伸ばすコツは以下の通りです。
- 事前のストレッチを入念にする
- 息を吐きながら前屈する
- 背筋を伸ばして座る
事前のストレッチを入念にする
長座体前屈は、事前のストレッチで体を柔らかい状態にしておけるかがポイントになります。
特に太ももやふくらはぎの筋肉、周辺の関節をしっかりストレッチしておくことで、記録が伸びやすく、怪我の防止にも繋がります。
息を吐きながら前屈する
息を吐くと筋肉が緩み、体が柔らかくなります。長座体前屈では体の柔らかさが重要なので、息を吐くことで筋肉の緊張を解くと良いでしょう。
体を伸ばしきるタイミングで、息を吐ききれるイメージで吐くとより効果的です。
背筋を伸ばして座る
長座体前屈の計測は座っている状態からのスタートですが、猫背だとスタート時点で既に腕が少し伸びている状態になるため不利です。
胸を張って肩甲骨を寄せるイメージで臨むと良いでしょう。
反復横とび
「反復横跳び」は1mの幅で引かれた3本のラインを、20秒間で跨いだ、または触れた回数の合計を記録する種目です。
こちらも測定は2回行われ回数が多い方が記録されます。
この種目では、運動特性の「すばやさ」と「タイミングの良さ」が重要になり、「敏捷性」が評価されます。
「反復横跳び」の記録を伸ばすコツは以下の通りです。
- 重心が低い状態を保つ
- ステップ幅を一定に保つ
- 体重を内側に残す
重心が低い状態を保つ
反復横跳びでは、重心を低く保つことがポイントになります。重心を低く保つことで、足の運びをスムーズに行うことができます。
中盤から終盤にかけて下半身が辛くなってからも低い重心を意識しましょう。
ステップ幅を一定に保つ
反復横跳びで使用される3本のラインは1m間隔なので、この距離感を事前に掴み、最もスムーズに移動できるステップ幅を理解しておくと良いでしょう。
計測中に一定のステップ幅を保てると、効率的に記録を伸ばすことができます。
体重を内側に残す
反復横跳びで重要なポイントは、次のステップにスムーズに移ることです。
片方のラインを踏んだタイミングで、既に逆サイドへの意識を持っていなければならないため、常にラインの内側に体重を残しておくことがポイントです。
持久走
「持久走」は、男子は1500m、女子は1000mを走り、そのタイムを計測する種目です。
計測は1回のみで、スタートはスタンディングスタートで行われます。
この種目では、運動特性の「粘り強さ」が重要になり、「全身持久力」が評価されます。
「持久走」の記録を伸ばすコツは以下の通りです。
- 前半はペースを抑える
- 背筋を伸ばして走る
- 呼吸法を意識する
前半はペースを抑える
短距離走のように序盤からペースを上げてしまうと、後半に体力がもたなくなります。
終盤にラストスパートをかけられる体力を残すために、無理のないペースを維持することが大切です。
背筋を伸ばして走る
背筋を伸ばして走ると、体のブレが少なくなることに加えて、呼吸がしやすくなるというメリットもあります。
疲れてくると背中が丸まりがちですが、背筋を伸ばす意識を持ち続けましょう。
呼吸法を意識する
走っている時は呼吸が浅くなりがちなので、深く呼吸することを意識しましょう。
呼吸は鼻から吸って口から吐くと良いとされています。また、2回吸って1回吐く、3回吸って1回吐くなどの呼吸法が一般的です。
20mシャトルラン(往復持久走)
「20mシャトルラン」は、電子音が鳴り終わるまでに20mの幅で引かれたラインの間を往復した回数を記録する種目です。電子音のスピードは1分ごとに短くなるため、回数が増えるほど走るスピードも速めなければなりません。
2回連続で電子音が鳴り終わるまでにラインに到達できなかった時点で終了となるため、1度であれば電子音に間に合わなくても記録を続行できます。
この種目では、運動特性の「粘り強さ」が重要になり、「全身持久力」が評価されます。
「20mシャトルラン」の記録を伸ばすコツは以下の通りです。
- 電子音が鳴り終わるギリギリでターンする
- ターンに合わせて減速する
- ターンの向きは交互にする
電子音が鳴り終わるギリギリでターンする
序盤は電子音がなるペースが速くないため、余裕があります。序盤から全力で走ると体力が消耗してしまうので、電子音に合わせてペースを調節しましょう。
電子音が鳴り終わるギリギリでも全く問題ありません。
ターンに合わせて減速する
シャトルランにおいて、ターンの瞬間が最も足に負担がかかります。この足への負担は終盤に響いてくるため、ターン前に減速して負担を軽減することが大切です。
ターン後になるべく早く加速し、ターン前を減速した状態で迎えられるのがベストです。
ターンの向きは交互にする
ターンの際に、利き足やクセなどで、同じ向きでターンを続ける人がいますが、そうすることで片方の足に負担がかかります。
可能な限りターンの向きを交互にすることで、足への負担を分散させることができます。
50m走
「50m走」は、50mのセパレートコースを走り、そのタイムを記録する種目です。
計測は1回のみで、転倒やコースアウトは「記録なし」とされます。
この種目では運動特性の「すばやさ」と「力強さ」が重要になり、「スピード」が評価されます。
「50m走」の記録を伸ばすコツは以下の通りです。
- スタートダッシュで踏ん張る
- 腕をしっかり振る
- ゴールより先に行くイメージで走り抜ける
スタートダッシュで踏ん張る
50mという短い距離においては、スタートダッシュが肝心です。
スタートのタイミングで踏み出す足を決めておき、その逆の足でしっかり踏ん張ることが良いスタートダッシュを決めるポイントです。
腕をしっかり振る
体の軸がぶれないように、腕を思いっきり前後に振ることが大切です。
この時に力が入りすぎると筋肉が緊張して速く走れないため、両手に生卵を持っているイメージで走るとリラックスした状態で走れます。
ゴールより先に行くイメージで走り抜ける
より良いタイムを出すためには、最後まで気を抜かずに全力で走り抜けることが大切です。
ゴールまでという意識ではなく、ゴールの5m先まで走るイメージを持つと、ゴールの瞬間まで「全力」をキープできます。
立ち幅跳び
「立ち幅跳び」は、両足を揃えた状態で前方に跳び、スタートラインから着地点のかかとまでの距離を計測します。着地時にバランスを崩して手をついたり、転んだりした場合は、体が触れた場所でスタート地点から一番近いところが着地点になります。
計測は2回行われ、跳躍距離が長い方が記録されます。
この種目では、運動特性の「力強さ」と「タイミングの良さ」が重要になり、「瞬発力」が評価されます。
「立ち幅跳び」の記録を伸ばすコツは以下の通りです。
- 手を振って勢いをつける
- 膝を曲げる
- 着地は前に倒れる意識を持つ
手を振って勢いをつける
立ち幅跳びでは助走が無いため、立った状態で勢いをつける必要があります。
振り子のように手を振り、手が真下に向いたタイミングで跳ぶと良いでしょう。跳んだ後はそのまま前方に手を振り上げましょう。
膝を曲げる
膝を曲げることで、ジャンプする時のバネのような役割を果たしてくれます。
しかし、90°以上膝を曲げると逆に上手く力を発揮できなくなってしまうため、曲げすぎには気を付けましょう。
着地は前に倒れる意識を持つ
立ち幅跳びでは、体が触れた場所の中で最もスタート地点に近いところが着地点として記録されます。そのため、せっかく長い距離を跳んでも、後ろに倒れてしまうと計測距離が短くなってしまいます。
倒れる時は前に倒れる意識を持ちましょう。
ボール投げ
「ボール投げ」はソフトボールやハンドボールを投げて、その距離を測定する種目です。直径2mの円の中から、前方30°の範囲内にボールを投げます。円内での移動は自由であるため、自由に助走をつけたり、ステップを踏んだりすることができます。
しかし、ボールが着地する前に円外に出たり、前方30°の範囲外に投げたりすると失格となります。
測定は2回行われ、距離が長い方を記録します。
この種目では、運動特性の「力強さ」と「タイミングの良さ」が重要になり、「瞬発力」や「巧緻性」が評価されます。
「ボール投げ」の記録を伸ばすコツは以下の通りです。
- 腕を大きく振る
- 角度は45°を意識して投げる
- 手首のスナップを使う
腕を大きく振る
ボールを遠くに投げるためには力だけでなく、腕の振りも大切です。なるべく大きく体を使うイメージで思いっきり腕を振ると、距離が伸びやすくなります。
キャッチボールの段階で腕の振りを意識して練習してみましょう。
角度は45°を意識して投げる
遠くに投げようとするときに上に向かって投げる人は多いですが、真上に投げすぎるとかえって距離が伸びません。
当日の風向きによっても変わりますが、45°程度を意識して投げると最も距離が伸びやすいと言われています。
手首のスナップを使う
腕や肩の力だけでボールを投げようとしている人もいますが、実はボールを投げる際には手首も重要なのです。
ボールを手から離す前に手首のスナップを使うことで、よりボールに勢いがついて距離が伸びます。
まとめ
いかがでしたか?今回は新体力テストで記録を伸ばすためのコツについて解説してきました!
運動が得意な人もそうでない人も高得点を狙うチャンスは十分にあるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ご紹介したポイントを抑えて自身の最高記録を更新しましょう!