高地トレーニングは問題点が多い?具体的な効果も解説

陸上選手が行う高地トレーニング!問題点も多い?

持久力アップをしたいと考えるマラソン・駅伝ランナーであれば、標高が高い山で「高地トレーニング」をしたい方は多いのではないでしょうか?気圧が低く、普段よりも酸素を取り組みにくい環境でランニングを行うと、効率的に持久力アップへ繋げることができます。

しかし、持久力を上げる上で効果抜群に見える一方、あらゆる問題点もたくさん発生するのはご存知でしょうか?今回、高地トレーニングの効果に併せて、問題点も詳しく解説していきます。

高地トレーニングとは

高地トレーニングとは、低圧や低酸素、低温の環境で行う有酸素トレーニングを指します。人間の環境適応能力を活かしており、運動能力を底上げできるトレーニング方法です。高地トレーニングをすると、酸素濃度が薄く、身体へ取り込みにくくなるため、血中の酸素濃度が低下していきます。
血中の酸素濃度が低下すると、環境に適応した酸素濃度を確保しようとするため、体内で赤血球数やヘモグロビン濃度が増加。身体の適応能力を活かして、パフォーマンス向上に繋げることができます。

高地トレーニングの問題点

  • ①経済的に負担
  • ②環境に慣れるまで時間が掛かる
  • ③身体の負担が大きい

持久力アップに繋げることができる高地トレーニングですが、問題点はいろいろと生じてきます。上記問題点について、詳しく解説していきます。

①経済的に負担

高地トレーニングを行う場合、相当な費用が発生します。実際にオリンピック日本代表クラスの陸上競技選手の場合、高地トレーニングを行う際に掛かる費用は、1人当たり200万円~400万円(1ヵ月間)と言われています。
部活動の合宿としてトレーニングを行う場合、資金繰りに豊富な私立の高校や大学の部活であっても、予算が大きな負担となってしまうのがデメリットでしょう。

②環境に慣れるまで時間が掛かる

高地環境に順応するまで、時間が掛かることも問題点の1つ。赤血球やヘモグロビンが高地での環境に慣れるまで、最低3週間は必要と言われています。1ヶ月間の集中トレーニングと意気込んだとしても、実際に慣れるには3週間後になるため、実質1週間しかトレーニングができないといったことにも。

高地トレーニングを行う際には、最低でも2ヵ月の期間で行うことは必須と言えるでしょう。

③身体の負担が大きい

選手への負担が大きいことも、高地トレーニングを行う際に問題点となるでしょう。持久力アップが見込める高地トレーニングですが、平地以上に疲労回復に時間を費やすことになるので、体調の変化が著しく、睡眠への影響に繋がることも考えられます。

万全の体制で取っていたとしても、身体を壊してしまっては意味がありません。高地トレーニングを行う際は、身体の調子は万全かを常に確認しておく必要があります。

それでも高地トレーニングの効果は大きい?

問題点が大きいのが高地トレーニングの特徴ですが、見込める効果は大きいもの。高地トレーニングの効果についてまとめてみました。

酸素運搬と消費循環の向上し持久力アップ

低酸素の環境は、人間の酸素運搬機能に影響を与えていきます。酸素を身体に行き渡らせるため、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンと筋肉中に酸素を運ぶミオグロビンが増加。高地に比べ、十分な酸素を取り込める平地に戻ると、酸素の運搬能力と酸素消費能力が向上します。
筋肉への酸素供給が十分に行われるため、全身の持久力と筋持久力を底上げ可能。マラソンや駅伝競技などのタイムも向上することになるでしょう。

高地トレーニングの効果に近いマスク着用トレーニングがおすすめ

高地トレーニングは、長距離陸上競技選手にとって喉から手が出る程欲しい「持久力アップ」が見込める効果があります。しかし、持久力アップが狙える代わりに、経済的な負担だけでなく身体の負担も掛かることになるので、ハイリスクハイリターンのトレーニング方法と言えるでしょう。

それでも持久力アップができるトレーニングをしたいという場合は、トレーニングマスク着用によるトレーニングがおすすめ。マスクを着用して有酸素運動を行うことで、従来のトレーニング時よりも酸素供給量を抑えることになるので、高地トレーニングの効果も期待できます。

トレーニングマスクに関する記事は、下記に詳しくまとめたので、是非参考にしてみてください。

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まとめ

陸上競技選手の方が行う高地トレーニングは、持久力アップに繋げる効果的なトレーニングです。しかし、高地への合宿費で経済的な負担が大きいだけでなく、選手の身体にも負担が掛かります。

短期間で持久力アップに繋げたいという方は、高地トレーニングでのトレーニングではなく、マスク着用によるトレーニングがおすすめです。マスクを着用することで、酸素供給量を抑えることができるので、高地トレーニングの効果を得ることが可能。苦しい場合は、マスクを外せばよいので、安全にトレーニングができます。

是非、本記事を参考に、トレーニングに励んでみてください。