トレーニング
2021.06.08
深夜にトレーニングしてもいいの?効果に差が出る時間帯を解説
もくじ
忙しくても運動したい!
ダイエットや健康づくりのために、運動やトレーニングの習慣をつけようと考えている人は多いはず。
ただ、運動のためのまとまった時間を取るのが難しいんですよね。
仕事や学業で忙しい人であれば、トレーニングをする時間帯に深夜を選ぶこともあるでしょう。
しかし、トレーニングの時間帯によっては疲労がライフスタイルに影響してしまったり、怪我や疲労につながってしまったりという危険性が想定されます。
今回のコラムでは、深夜のトレーニングが効果的かどうかをご説明していきますね。
大前提!トレーニングは時間が確保できる時に
まずお伝えしておかなければならないのは、トレーニングにおいて重要なのは「時間」ではなく「質」と「一貫性」だということ。
結論から言ってしまうと、深夜のトレーニングにはデメリットもありますが、時間が確保できず毎日運動を続けられないほうがもっとデメリットになるんです!
- 定期的に運動を継続できそうな時間帯
- 日常生活の疲労がたまるなど、運動を回避する理由をつけにくい時間
- 自分にとって無理のない時間
上のような条件に当てはまるなら、後述する注意点に合わせて深夜にトレーニングすることはもちろん効果的ですよ。
深夜にトレーニング!メリットとデメリット
まずは、深夜のトレーニングについてチェックしていきましょう。
なお、ここでは「深夜」を以下のように定義しています。
- 午後11時~翌午前4時の間
- 運動後2時間以内に就寝する
- 事前に夕食を取っている時間帯
深夜トレーニングのメリットは?
- 集中してトレーニングをしやすい
- 夕食の内容によっては効果を上げられる
- 適切な疲労感なら寝つきがよくなる
集中してトレーニングをしやすい
特にジム通いの人は、他の人の視線や雑音を気にせず運動ができることがメリットになります。
多くの人が仕事を終えて帰りついてからジムに行っている、あるいは仕事帰りにジムに寄る時間帯は、大体午後6時から午後9時くらいまでの間。
この時間帯って、平日でも意外に施設が賑わっていることが多いです。
最近は24時間営業のジムも増えているので、人が少ない深夜を選んでストレスフリーにトレーニングをしている人もいるでしょう。
夕食の内容によっては効果を上げられる
運動前に糖質やタンパク質をしっかり摂取すれば、トレーニングの効果を上げて筋力アップを図ることが可能です。
糖質は体を動かすためのエネルギーですから、事前に摂ればトレーニングの強度を少し高めにして全身に効果的な負荷をかけられます。
タンパク質を多く含む食品を事前に食べれば、運動中はタンパク質の分解が抑制され運動後に合成が進みやすくなります。これは筋肉、とくに骨格筋の肥大を効果的に進めることにつながります。
適度な疲労感なら寝付きがよくなる
運動による体温上昇と適度な疲労感によって、寝付きが良くなり夜中に目を覚ますことが減ります。
この理由は「徐波睡眠」と言われるノンレム睡眠のひとつ。入眠直後にやってくるノンレム睡眠で、様々な効果があります。
- 成長ホルモンを分泌する
- 細胞を修復する
- 睡眠時間を延ばす
ただし、後述しますがハードすぎるトレーニングはNG。逆に体が興奮状態に陥ってしまい、寝付きを悪くする原因となります。
深夜トレーニングのデメリットは?
- スケジュール管理が難しい
- やりすぎると寝付きが悪くなる
- 体内時計が乱れるリスクあり
スケジュール管理が難しい
仕事や勉強をこなして疲れた状態で帰宅すると、どうしても休みたくなってしまうもの。
人間の体は本来夜遅い時間に睡眠をとるようにできているので、深夜であれば眠気も強いのではないでしょうか。
トレーニングは継続してこそ効果を発揮します。「取り組む!」という強い意志を持っていないと、トレーニングを疎かにしてしまうことが増えるかもしれません。
また意思が強くても、日中の過ごし方によって夜のコンディションは異なります。
筋トレの内容や回数を調整しながら、翌日に悪影響が出ないよう考える工夫が必要になるのです。
やりすぎると寝付きが悪くなる
強度の高い運動を行うと、体が興奮状態になり就寝すべき時間帯にうまく睡眠がとれなくなる可能性が高まります。
これは体内の環境を整える「自律神経」に運動が影響し、体の活動性が上がってしまうからなのです。
交感神経と副交感神経
自律神経は体の活動を高める「交感神経」と、休養させて回復を促す「副交感神経」のふたつから成り立っています。
交感神経と副交感神経はいわばアクセルとブレーキのようなもので、状況に応じてどちらかが優位になることで体をコントロールしています。
寝ている時に働くのは回復に関係する副交感神経ですが、運動をすると交感神経が優位になり、血液の循環や代謝が高くなって回復を優先しなくなるのです。
体内時計が乱れるリスクあり
上でご説明した交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかないことで、夜=眠るという認識を体がしなくなり、ひどいと睡眠障害に陥る可能性があります。
また、睡眠のリズムが乱れることで一日のリズムの乱れにもつながり、仕事や学業に支障をきたすおそれがあります。
深夜トレーニングで気を付けるべきことは?
どうしても夜遅い時間にトレーニングをしたい! という人は、以下のことに気を付けてみましょう。
- 運動後にしっかりとストレッチを行う
- 運動後30分以内に補食を摂る
- メニューの負荷を上げすぎない
運動後にしっかりとストレッチを行う
運動後スムーズに寝付くために、副交感神経を優位の状態に持っていく必要があります。
トレーニングが終わったらストレッチを入念に行い、筋疲労を軽減して運動効果を高めながら心身をリラックスさせてあげましょう。
運動後30分以内に補食を摂る
トレーニングの効果は、時間に関係なく以下の要素がそろった時に高まります。
- 運動をする
- 栄養を摂る
- 休養(睡眠)をとる
とくに筋トレ後30分から1時間半ぐらいまでは筋肥大の「ゴールデンタイム」とされており、とりわけ運動後30分まではタンパク質を吸収して筋肉を合成するのに最も効果的な時間と言われています。
とは言っても、夕食を取らずに深夜の運動を行うのはエネルギー不足で効率が良くないですし、深夜にガッツリ食事をするのははばかられますよね。
そこで提案したいのが、深夜の運動後にタンパク質や糖質を含んだ補食を取ること。
しっかり体を休めて良質な睡眠も取れれば、成長ホルモンの分泌が促進されて筋肉がさらに効率よく作られます。
何を食べればいいの?
タンパク質を豊富に含む補食の例は以下の通り。
- サラダチキン
- 鶏のささみ
- ツナ
- 納豆
- ゆで卵
- ヨーグルト
- チーズ など
また、糖質を速やかに補給できる補給はこちらです。
- おにぎり
- カステラ
- バナナ
- 卵サンドイッチ
タンパク源と糖質源を組み合わせ、脂質が少ないものを選んで摂ることをおすすめします。
メニューの負荷を上げすぎない
深夜に行うトレーニングはなるべく軽めの有酸素運動にし、メニューの負荷を上げすぎないようよく考えて設定しましょう。
激しい運動や1時間以上にわたる長時間の運動を行うと、食べ物の消化や吸収が妨げたり交感神経が活発になりすぎたりすることが想定されます。
早朝と深夜、どっちがいい?
忙しい人が深夜と並んでまとまった時間を取りやすいのが早朝。
ですが「どちらをトレーニングに当てるか」と言われれば、私は深夜をおすすめします。
ここからは、その理由を確認していきましょう。
なお、「早朝の運動」は午前4時~7時の間で、起床後1時間後としています。
- 過度な負荷が病気などのリスクを高める
- 早く起きる必要がある
- 運動の強度を深夜よりも上げにくい
過度な負荷が病気などのリスクを高める
朝は副交感神経優位の状態から少しずつ交感神経優位に切り替わる時間帯です。
体の状態に合わせた運動を行い自律神経のリズムを整えられれば、体を鍛えながら生活のリズムを整えることもできるでしょう。
しかし、他の時間と比べた朝の特徴には、激しい運動がリスクとなる要素が含まれているのです。
- 体温が十分に上がりきっていない
- 副交感神経が優位な状態
- 体内の水分が不足している
こういった状態で負荷の高いトレーニングを行うと、急激な運動によって心臓などの臓器に大きな負担がかかったり、血圧や心拍数が上昇して怪我をしやすくなったりします。
また、睡眠中は脱水が進んでいるため朝は体内の水分が不足します。
早朝に運動をする場合は特に念入りなウォーミングアップをし、適切な水分補給を行いましょう。
早く起きる必要がある
朝起きるのって大変です。
特に仕事や勉強で忙しく運動の時間も取れないような人であれば、なるべくしっかり睡眠をとってから一日をスタートさせたいのが本音でしょう。
頭もシャキっとしていない状態でトレーニングを行うのは怪我にもつながりやすいですし、もともと朝型という人でなければ難しいかもしれません。
運動の強度を深夜よりも上げにくい
深夜トレーニングもハードな内容をこなすのはおすすめできませんが、早朝にトレーニングをする場合も強度を上げることは困難です。
早朝の運動は空腹のときに行うものですから、体内のエネルギーが少なく筋肉の量を増やすには効率が落ちるのです。
深夜のトレーニングは入念に気を配って
夜遅くに行うトレーニングにはメリットもありますが、生活リズムに影響してしまうデメリットもあります。
せっかく健康になるために運動をしているのに、逆に毎日を過ごすことに支障をきたしてしまっては本末転倒ですよね。
注意事項に気を付けながら、なるべく効果的かつリズムを狂わせないようなトレーニングを続けていきましょう。