部活動で部長になる人の特徴は?

部活動につきものなのが、次期部長やキャプテンの決定。

最後の大会が終わったら、最上級生が次の代にチームを託さなければなりません。

ここで誰を部長に人選するかはチームの未来を左右します。

今回のコラムでは、部活動で部長になる人がどんな性格なのか、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。

部長になりたいと思っている人、次の部長を決めたい最上級生の人にぜひ読んでいただきたいコラムです。

一番の仕事は「部員をまとめる」ことじゃない!

部長になる人①
「部活の部長」と聞くと、皆さんはどんなイメージを持ちますか?

  • 練習メニューを考える
  • 部の細かいことを決定する
  • 部員をまとめる

こういったものが浮かぶかもしれません。

確かに間違ってはいませんが、ここで部活の目的を思い出してみてください。

「全国大会への出場」「地方大会○位入賞」などの目標はありませんでしたか?

部員をまとめてメニューを作るのも仕事のひとつですが、最終的な部長の役目はこの目標に向かって部をけん引することです。

本気で成績を残したい! という部ならその成績を残せるように。大会には出るけれどあくまで楽しく、という部なら、みんなが楽しく部活動に打ち込めるように。

部長(リーダー)の役目は、「部をどうしたいのか」「どうすれば目指す姿に近づけるのか」を考えて実践することなのです。

部長に向いたタイプって?

部長になる人

ここからは、部長になる人(目標に向かってみんなを導ける人)の特徴を具体的に考えてみましょう。

プレイヤーとマネージャーの役割は異なります。「競技がうまい」「毎日真剣に練習をしている」以外にも、大事な要素がたくさんあるのです。

きちんと理想を持っている人

繰り返しになりますが、部長になる人は「部の目標」について明確なビジョンを持っている必要があります。

  • どうすれば目標に近づくか
  • 今の部の課題は何か
  • 今の部の伸ばすべきところは何か

また、自分がリーダーとなった場合には「どんなリーダーになればよいのか」ということにも自分なりの答えを出していることでしょう。

部を導く人が、その行き先をよくわかっていなくては意味がありませんよね。

周囲に役割を与えられる人

「部長の仕事はたくさんあって当たり前」と思い込んでいませんか?

メニューを組んだり、顧問の先生と大会や今後の予定について相談したり、生徒会と予算について折衝したり、後輩を指導したり、練習の備品を用意したり……

自分ひとりだけに仕事が集まっていると、部員は逆にモチベーションや責任感を落とします。

  • 「部長がやってくれるから私は何もしなくていいよね」
  • 「どうせ一人で決めるんだから、僕たちの意見は必要ないだろう」

部員にこういった思いを抱かせてしまうと、部活に貢献しようという気持ちを失い部がバラバラになってしまいます。

互いの信頼関係を構築するためにも、周りに頼れるリーダーが理想です。

周りのメンバーに役割を与えて仕事を任せられる人は、結果的にみんなをまとめることができる人でもありますよ。

衝突を恐れない人

部を運営していくにあたって、部員たちの意見が合わないこともあるかもしれません。

その際に「嫌われるのが怖い」「どうせ分かってもらえないだろう」と思って自分の意見をきちんと主張できず衝突から逃げてしまう人は、部長に向いていません。

衝突は悪いことではありませんし、部員はあなたの敵ではありません。

部員たちと真摯に向き合い、お互いの気持ちをきちんとぶつけて話し合うことで、部をよりよい方向へと導くことも部長の勤めなのではないでしょうか。

部に様々な意見を取り入れて活性化していくためにも、逃げずに話し合いへと挑みましょう。

責任感をもってやり遂げられる人

部活への責任感も部長に不可欠な要素です。

塾や習い事があるから、と何度も部活を休む人や、一度決めたことを守り抜けない人に部の存続維持を任せたいと思うでしょうか?

部長になったら考えたい「6つのリーダーシップ」

部長になる人

アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンは、リーダーシップのスタイルを大きく6つに分類し、「リーダーは自分でも意識しないまま6種類のスタイルの中から1種類ないし数種類を採用して使い分けている」と考えました。

ゴールマンのリーダーシップ分類はビジネス論的な側面も強いですが、部活動に活かせる内容がたくさん盛り込まれています。

ここからは、リーダーシップのスタイルとその特徴を参考にすることで、リーダーとなった時の動き方について考えてみましょう。

  • ビジョン型リーダーシップ
  • コーチ型リーダーシップ
  • 関係重視型リーダーシップ
  • 民主型リーダーシップ
  • ペースセッター型リーダーシップ
  • 強制型リーダーシップ

ビジョン型リーダーシップ

自分たちに共通する夢に向かって人々を動かすタイプです。

「あの人の夢にならぜひ参加したい」と思わせる力や、ブレない信念が必要になります。

ポイントは夢への到達方法を押し付けないこと。目標はきちんと設定しますが、そのプロセスは部下の自主性に任せています。

長所と短所

ビジョン型リーダーシップの長所は「組織への帰属意識が強くなること」。

組織の明らかな停滞時や、逆に組織が急成長している場合に効果的です。

反面、リーダーの態度が強くなるとチームの平等さが崩れて不信が強まります。また、理想論だという不満も上がることもあるでしょう。

コーチ型リーダーシップ

個々人の希望を確認し、それを組織の目標に結び付けることで周囲をけん引するタイプです。

メンバーそれぞれと1対1で真剣に対話することが求められます。

リーダー自身の考えやスタイルは押し付けずあくまで相手のやり方を尊重するため、メンバーのモチベーションやポテンシャルを強化することだできます。

長所と短所

メンバーに目標を設定させるので、自身について深く考える過程を作ることができます。また、メンバーの目標から相手の性格や特徴についても把握し組織の中で生かしやすくなります。

ですが、将来の成長を重視することから直近の目標が達成されにくい可能性はあります。また、モチベーションが低いメンバーや結果のみにこだわるメンバーがいると進行が難しいかもしれません。

メンバーへの理解やカウンセリング能力、共感力など、社会人顔負けの高度な能力が必要となるため、難易度も高そうです。

関係重視型リーダーシップ

課題や目標達成より部下の感情面のニーズを重要視することで、周囲からの信頼を得て友好的な関係を保つリーダーシップスタイルです。

メンバー間の調和を保つことに重きを置くため、組織内の信頼関係が壊れてしまっている時や意思疎通をしたい時に向いているでしょう。

取り組み方によっては目的意識が失われてしまうため、リーダーにもメンバーにも高い自律性が求められます。

長所と短所

組織の融和を維持してメンバー同士の関係を優先するので、活動を円滑に進めやすくなります。

また、リーダー自らが弱みを見せて素直に認め、メンバーに助けてもらうことで、信頼関係や帰属意識を高めることもできます。

いっぽう、メンバーの気持ちばかりが重要視されて本来の部の目的や目標を見失ってしまう可能性があります。

衝突を避けすぎるため、困難を乗りこえるチャンスときちんと向き合えないこともあるでしょう。

仲がいいだけでは達成できない問題もあるのです。

民主型リーダーシップ

チームの意思決定にメンバーも参加させ、広く意見を集めながら合意を得て活動を進めるリーダーシップです。

結果よりも目標実現までの過程を重要視し、メンバーのモチベーションアップや前向きな意識変化が見込めます。

個々人の利害関係がバラバラな時、実態を把握したい時に効果を発揮します。また、自分一人で物事を決めるのが苦手なリーダーに向いているでしょう。

長所と短所

メンバーの意見を広く集めるには、リーダーが情報をきちんと開示しなければなりません。その分民主型リーダーシップでは、開示の過程を辿ることで信頼を得やすくなります。

また、アイデアを見つけやすくなるという副次効果もあります。

ただし、停滞したチーム状況をすぐに、爆発的に変えたい時には力不足です。

やる気があっても知識や能力がないメンバーからは何も得られませんし、話し合いの結論が出づらくうまくいかないとメンバーが激しい衝突を起こしてしまうかもしれません。

リーダーに高い紛争処理の力が求められます。

ペースセッター型リーダーシップ

リーダーがその高い能力を生かし、周りを背中で引っ張るリーダーシップです。

自分が率先して進行し、部下に対して細かい指示はしません。

部の方針が実力重視で、かつ自分のレベルが他の部員よりも明らかに高い場合、効果的に部を引っ張っていけるでしょう。

しかし、部下のモチベーションや部の一体感が低いと逆効果になる可能性があります。

長所と短所

難度が高く、やりがいのある目標の達成も目指せます。リーダーシップの成果も出やすく、ビジョン型や関係重視型リーダーシップとの併用もしやすいです。

リーダーがひとりで部を進行させがちになるので、効果的に行わないとメンバーの信頼低下が心配です。

結果を自分にもメンバーにも求めるぶん、自分以上に結果を出せないメンバーをケアする視野の広さも必要になります。

一発は大きいですが、運用には慎重さとスキルが必要な方法でしょう。

強制型リーダーシップ

メンバーに対し、強制的に指示命令するリーダーシップです。

リーダーをメンバーに気を使わず、メンバーも考えず指示に従えばいいため一見短時間で効果が出そうですが、メンバーの気持ちが離れてしまったり、メンバーが自分で考えることを放棄してしまうようになったりと、長期的にはかなり効率の悪い方法です。

長所と短所

リーダーが正しい判断を下すことができれば、緊急時には有効な手段です。

裁量権を自分一人で持つことで有事の際に迅速な対応をし、決定事項としてメンバーたちが逆らわないようにすれば円滑に取り組みを進行できるからです。

しかし、リーダーが部を支配するような状況になるため、当然ですがメンバーがポジティブな気持ちやモチベーションを失いやすくなります。

部への愛着や取り組みへの思い入れもなくなり、メンバー感の関係もギスギスしてしまうでしょう。

部の運営には向かないと言えます。

部長になる人は部を目標へ導ける人!

部長になる人部活動でなんとか次の部長に選ばれたい! という人、逆に部長になってしまいそうだがイヤで仕方がない……という人。

次世代への部活の継承は、様々な事情が渦巻いています。

今後への心づもりや自分が目指す姿を振り返るための指標として、今回ご紹介した情報をぜひ活用してみてくださいね。