運動中や運動後に頭が痛い!原因はなに?対策はできる?

運動中に頭痛……。原因は何?

ズキズキ、ガンガンとつらい頭痛。人によっては運動中や運動した後にも起こってしまうこと、知っていましたか?

実は運動による頭痛はメジャーなもので、国際頭痛学会(IHS)の定める「頭痛疾患分類」にも含まれています。※

今回は、運動と頭痛について考えていきましょう。

※本記事は診断や医学的情報に基づく治療アドバイスを行うものではありません。
引用:頭痛疾患分類について

体調に不安がある場合は、必ず医師の診察を受けましょう。

運動をすると頭痛が起こるの?

頭が痛い人

頭痛は私たちの想像以上に複雑なものです。運動以外にも生活環境やにおい、体調や天気など様々な要因に左右されますし、起こりやすい人もいれば運動では全く起こらない、という人もいるのです。

運動による頭痛の原因は不明

運動と頭痛の明確な関係性は、実のところはっきりと分かっていません。

激しい運動で脳の血流が良くなり血管が拡張したことが原因と考える研究者もいれば、温度や標高、身に着けるスポーツ用品が影響で頭痛が引き起こると考える研究者もいます。

どちらも頭痛が起こる可能性が高い状況ではありますが、明確に「これが原因」と指摘できるものではないようです。

運動で起こる頭痛はどんなもの?

運動で起こる頭痛は「一時性運動時頭痛」「一時性労作性頭痛」などと呼ばれています。

脈と一致するタイミングで起きる「拍動性」かつ運動時以外には出現しないことが特徴で、多くの人が数年内に自然に症状が消えていくと言います。

また、長時間の運動などによりせきを伴って発生する頭痛は「一次性咳嗽性頭痛(いちじせいがいそうせいずつう)」に分類されます。

こちらはせきが出る運動だけでなくいきんだりくしゃみをしたり、笑ったりといった原因でも発生します。

いずれの頭痛も該当する症状が発生しており、なおかつ他に頭痛の原因となる病気がない場合に診断が下ります。

具体的な頭痛対策はどうしたらいいの?

薬上でご紹介した頭痛については分かっていないことが多く、現時点での対策は「運動を避けること」「あらかじめロキソニンなどの鎮痛薬を内服すること」となります。

短時間で頭痛症状が引くことがほとんどなので、発症後に鎮痛薬を飲むのはあまり効果が期待できないこともあるでしょう。

もともと頭痛持ちの人は注意

バスケットボール慢性的な頭痛持ちの人も運動後に頭痛を引き起こすことがあります。

特に気を付けたいのが、「緊張型頭痛」が続いている人。

緊張型頭痛は頭や首の後ろ(後頚部・こうけいぶ)、肩、背中の筋肉が緊張し収縮していることが原因で起こる頭痛。そのため、後頚部へと負担がかかりやすい運動をした場合に頭痛を引き起こすことがあります。

  • バドミントン
  • バレーボール
  • バスケットボール

以上のような首の上下運動が多い競技や、上半身に負担がかかりやすい格闘技などで頭痛が生じやすい場合は、準備運動やストレッチを十分に行いましょう。

それでも発生する場合は、準備運動の見直しが必要です。

頭痛が発生したら?

鎮痛剤を飲んで痛みを止めたり、湿布やマッサージなどでダメージを受けた筋肉をていねいにケアしたりすることが重要です。

薬はあくまで対症療法ですから、痛みが止まったとしても鎮痛剤だけで安心してしまうのはNG。

痛みを引き起こす原因となっている後頚部の筋肉をしっかり休ませ、ほぐしてあげましょう。

運動は頭痛によくないってこと?

幸せ

そんなことはありません!

頭痛を引き起こすトリガーともなり得ますが、運動はむしろ頭痛を軽減したり今後引き起こさないようにしたりするための対策としてとても効果的です。

緊張型頭痛であれば後頚部や肩の筋肉の緊張をほぐし、血行を良くしてリラクゼーション効果に持ち込むことで解消につなげることができます。

片頭痛が発生している時に血行が良くなる運動をしてしまうと痛みが増強してしまうので逆効果ですが、片頭痛がない時であれば体をほぐしてストレスを発散できるためむしろ効果的。

頭痛を怖がるのではなく、頭痛を解消するための手段としての運動に目を向けてみましょう。