コンディション メンタル
2021.08.05
運動は最強のメンタルケア!影響や効果、手軽にできるストレス解消法を知ろう
軽い運動や筋トレの後、なんだか気持ちがスッキリしている……という経験はありませんか?
健康にいいと思われている運動ですが、身体だけでなく精神にもとてもいい影響をもたらしてくれるのです。
今回は運動のメンタル面への効果や、ちょっとリフレッシュしたい時にすぐできるカンタンな運動をご紹介します。
運動が精神的にいいのはなぜ?
運動がメンタルヘルスの改善に効果的なのには、きちんと生理学的な理由があります。
- 有用な神経伝達物質が増える
- 体と脳の疲労バランスが整う
運動は気分転換やストレス解消にもつながります。体を動かして不安やイライラを消し去ることができますよ!
有用な神経伝達物質が増える
皆さんも「セロトニン」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
セロトニンは脳内で働く神経伝達物質の一種で、神経や集中力、感情コントロールの安定に深く関わるもの。
運動をして全身の血流が良くなると、脳の血流も向上し脳が活性化してセロトニンの分泌が増え、気持ちを安定させることができます。
逆にセロトニンが不足するとさまざまな不調が現れ、気分のバランスをとることも困難になってしまうのです。
セロトニンの効果①大脳辺縁系への影響
セロトニンが意欲や心のバランスに関わる「大脳辺縁系」に分泌されると、気持ちがポジティブになって安定した心理状態へと導いてくれます。
- 集中力低下
- イライラの増加
- 平常心の乱れ
- ネガティブ思考
こういったメンタルの乱れが落ち着き、健康的な気分になれるのです。
セロトニンの効果②自律神経の調整
セロトニンには、体機能をコントロールする「自律神経」に対してもいい影響が。
自律神経には心と体の状態を活発にする「交感神経」と心と体を休ませる「副交感神経」があり、セロトニンはこれらのバランスを整える作用もあります。
大きなストレスが加わった時は交感神経だけが活性化してしまいますが、セロトニンによって交感神経の過剰な興奮が抑えられるのです。自律神経の調子が良くなると、不定愁訴(頭痛やだるさなど、原因不明の体調不良)もなくなりますよ。
セロトニンの効果③大脳皮質への働きかけ
セロトニンには覚醒状態を整える働きも。
朝起きた時や日中に脳を最適な覚醒状態へと導くことで、ボーっとしてしまわないように、また興奮しすぎてしまわないようにすることができます。
寝ているはずなのに眠気が取れない……という場合は、セロトニン不足が影響しているのかもしれませんよ。
セロトニンの効果④姿勢が良くなる
これも意外と大事です。
調子が悪かったり、ふさぎ込んでしまっていたりする時は背中が丸まってしまいますよね。実はこれもセロトニン不足が原因。セロトニンは貯金ができないので、増やすための習慣づけを意識して継続的に行う必要があります。
セロトニンの分泌が滞っていなければ、心も体もシャキっとした状態を維持できるのですね。
体と脳の疲労バランスが整う
現代人は仕事や勉強、コミュニケーションなどの日常生活で脳をフルに使うようになりましたが、反面体を動かす機会がなくなっています。
そのため一日が終わると脳には疲労がたまっているのに、体は疲れていないというアンバランスな状態になってしまうのです。
こうした状態になると睡眠によって疲労をうまくリセットできなかったり、疲労物質が蓄積して興奮状態に陥りうまく眠れなくなってしまったりと、ストレスを引き起こしやすいバッドコンディションに。
適度な体の疲れはかえって睡眠の質を高めているということが分かります。
他にもある!運動がメンタルにもたらす効果
神経伝達物質や疲労バランスの他にも、私たちの心身に運動がもたらすいい影響はたくさんあります。
気持ちを前向きに持っていける運動の効果について、もっと詳しく見ていきましょう。
自信が回復する
運動を毎日継続すると「今日はこれだけ頑張れた」「これだけできるようになった」という達成感や満足感が得られます。
運動はタイムが縮まった、トレーニングメニューの回数を増やせたなど具体的な数値として実感できるためなおさらです。
こういった気持ちが自信につながって、気持ちが明るく前向きになれますよ。
気晴らし効果
体を動かしていると嫌なことがどうでもよくなった経験はありませんか?
何かしらの運動に集中し打ち込んでいると、その時間帯は落ち込んだ気分やネガティブな不安を捨て去ることができます。
神経伝達物質へと働きかけること以外に、運動そのものも気持ちへといい影響をもたらしてくれるのです。
体が温まる
運動をすることによって血行が良くなり体が温まると、筋肉の緊張が解けて副交感神経が働きやすくなります。結果、ストレスの軽減につながります。
運動に限らず、お風呂にゆっくり浸かった時に沈んだ気持ちや体調不良がいつの間にかなくなっていた、という経験がある人は多いはず。
依存症を解消する
アルコールや喫煙、一定の食べ物など依存しやすいものへの執着を断ち切るのにも、運動は効果を発揮してくれます。
集中する必要がある運動は依存物から意識を逸らすのに最適なのですね。
メンタルケアにはどんな運動が効果的?
セロトニンを効果的に増やせる運動方法には、2つの特徴があります。
- 「リズム運動」であること
- 「ながら運動」ではないこと
ストレス解消やメンタルケアのための運動に取り組みたい場合は、これらの項目を意識したものを取り入れてみましょう。
「リズム運動」とは?
一定のリズムで同じ行為を繰り返す運動は、セロトニンが活性化する「リズム運動」に該当します。
- ジョギング
- ウォーキング
- サイクリング
これらのほか、「ドローイン」のような意識して繰り返し行う呼吸法もリズム運動に含まれます。
そのため、呼吸法を取り入れているストレッチやヨガ、エクササイズなどもセロトニンの活性化が期待できます。
「ながら運動」はなぜダメなの?
テレビや動画を見ながらついやりたくなる、ながら運動。
しかし、前述のリズムを意識することと同様に、セロトニンの分泌を促す運動では呼吸や体の動かし方を意識して繰り返し行う必要もあります。
達成感や運動の効果を実感するためにも、なるべく「運動をする時間」をとって実施するようにしたいところです。
運動時に気を付けたいポイント3つ
ジョギングやウォーキングは思い立ったらすぐにできるリズム運動。一日20分~30分からでもスタートしたいものです。
継続して運動が続くように、また効果や楽しさ、モチベーションの向上をしっかり感じられるように、以下の3点に気を付けて実施してみましょう。
誰かと一緒だとやる気が出る!
セロトニンは大好きな家族や友人、知人とのコミュニケーションでも増加します。
運動が楽しくない……という人は、ひとりでワークアウトするのではなく周りの人を誘ってみましょう。
ただし、自分よりも運動歴が長くレベルの高いメニューをこなせる人と一緒のワークアウトは、モチベーション面からあまりおすすめできないかも。
同じ運動をやる人のグループに入ったり、同じくらいの体力の人の中で運動を続けたりする方が、劣等感やストレスを感じずやる気が出るものです。
空間を移動して飽きないように
雨天でも運動ができ、設備も揃って手軽なジムもいいですが、いつも同じ場所での運動では飽きてしまうかもしれません。
リズム運動を行う時には、空間を移動して外部の空気を体感しやすいメニューを組み込みましょう。
お散歩気分でいつもは通らない道を歩いてみると、新鮮なワクワク感がセロトニンの分泌をさらに促進してくれますよ。
程よく気持ちいいペースをキープする
競技やダイエットのための運動ではないので、ストレス解消時の運動に過度な疲れはNG!
「運動がきつい」「続けたくない」という気持ちが強くなり、新たなストレスのもととなってしまいます。
楽しいと思える運動を継続するため、自分の体力や年齢、コンディションに合わせて、最適な運動強度や運動時間を調整しましょう。
きついなと思ったら難易度を下げても大丈夫。セロトニン分泌のためには、楽しく続けられることを最優先にしてくださいね。
楽しく体を動かしてメンタルケア!
ダイエットのために行っている人が多い運動ですが、イライラやネガティブな気持ちを発散してメンタルケアをしたい時にも効果的。
最近どうにも気分が上がらない……という方は、日ごろ自分がどれくらい体を動かしているのか一度考えてみませんか?