汗をかきすぎる原因は運動不足!?いい汗と悪い汗があるの?

なんだか昔より汗をよくかいてしまった気がする……と思ったことはありませんか?

運動していた場合「代謝が良くなったのかも!」と喜んでしまいがちですが、ちょっと待って。その汗には別の原因があるかもしれません。

今回のコラムでは、「汗っかきになった」と感じるようになった理由や「いい汗」「悪い汗」の見分け方について説明します。

もしかして体調不良?良くない汗っかきパターン7つ

代謝がいいという言葉は、「基礎代謝=じっとしていても消費するエネルギーの量が高い」ことを指して使われることが多いものです。

しかし、基礎代謝量の高さは筋肉の量に影響されるので、ただ汗をかくことと基礎代謝量を上げることはつながらないのです。

運動不足の状態が続いているのにも関わらず汗をかきやすい状態が続いたら、以下に当てはまっているかもしれません。

肥満

厚い皮下脂肪は断熱材の役割を果たすため、肥満の人は体の熱が体内にこもりやすくなるという特徴があります。

そのため、なんとか体温を下げようとした体が調節のために大量の汗をかいてしまうのです。

運動と食事制限を生活に取り入れ、まずは皮下脂肪を減らしてみましょう。汗の量も減ってくることが期待できます。

隠れ肥満

体重計

標準体型ややせ型の人であっても、隠れ肥満であるため汗っかきになってしまった可能性はあります。

肥満の人と同様内臓脂肪が厚い人も熱が体にこもりやすくなるので、運動習慣をつけて内臓脂肪を減らし汗の量を減少させましょう。

冷え性

冷え性の人は水分を取り過ぎていたり、水分を排出しにくい体になっていたりという理由で体内に余分な水分を溜め込んでいることがほとんど。

肥満のケースとは反対に体内の余分な水分によって体が冷えると、体は温まるために水を汗として排出しようとします。そのため、たくさん汗をかいてしまうのです。

冷え性が治れば汗っかきは改善されるので、まずは水分量に気を付け体を冷やさないような生活習慣付けに取り組みましょう。

運動不足

犬

汗をかく機会が少ない運動不足の人は、汗を出すための器官「汗腺」が衰えてしまっている可能性が高いです。

汗腺の機能が低下してしまうと、体が全身ではなく一部だけで汗をかいて体温調節をすうるようになります。ワキや背中、下着が触れている部分など、汗が不快に感じられる部分や汗が溜まりやすい部分に汗をたくさんかくようになってしまったせいで、汗を多くかくようになったと錯覚するのです。

運動量を増やし、全身の汗腺を活性化させたいところです。

食事の内容に問題がある

香辛料をたくさん使った料理や肉類など脂肪分が多い食事、お酒などは汗腺を刺激して汗をかきやすくします。

これらの食品は摂りすぎると汗のにおいも悪くなる上、いずれも健康のことを考えると食べすぎ・飲みすぎるのは避けたいものばかり。

汗をかきやすくなったことが気になったら、この機に食事内容を見直してみましょう。

緊張やストレス

女性

緊張している時、手のひらに大量の汗をかいてしまったという経験がある人は多いでしょう。

手のひらや足の裏はストレスや緊張などの精神性発汗が起こりやすい代表的な部位。ですが、その他の部位も精神的な刺激を与えることで発汗量が増えやすくなるのです。

緊張する場面でも、深呼吸をしたり環境を過ごしやすいものに変えたりしてなるべくリラックスできるよう心掛けましょう。

病気である

日常生活に支障を来すレベルの汗っかきは医学的にも「多汗症」と診断されます。

汗の量が多すぎる時や汗の出方が不自然な場合、汗を全くかかなくなってしまった場合などは、病気の可能性も考えましょう。

  • ・糖尿病による神経障害
  • ・バセドウ病による甲状腺ホルモンの過剰分泌
  • ・更年期 など

これらの病気による多汗症の場合は、病気そのものを治療しなければなりません。

不安に思ったら必ず病院を受診して医師の診療を受け、指示を仰ぎましょう。

いい汗と悪い汗がある?

汗汗と聞くと「ベタベタする」「臭い」というイメージを思い浮かべるかもしれません。

しかし、本来の汗はサラサラで臭いもしない「いい汗」なのです。

いい汗と悪い汗の違いは何なのか、汗腺のしくみを学びながら考えてみましょう。

汗の質は汗腺が左右する

汗のもとになっている成分は「血しょう」という成分。すなわち、血液から赤血球と白血球を取り除いた残りの液体が汗のもとなのです。

血しょうは99%以上が水分ですが、カリウム、マグネシウムなど体に不可欠なミネラルも同時に含んでいます。このミネラルが体に残るか、汗と一緒になって流れ出てしまうかで、「いい汗」と「悪い汗」が分かれます。

いい汗の場合

汗腺で汗が作られる際には血しょうの水分を使いますが、大切なミネラルが流れてしまわないようろ過して再度血管内に戻す過程があります。

ミネラルが混ざらない水に近い汗はべたつかず臭いもない「いい汗」として、体外へと排出されます。

悪い汗の場合

汗をかく習慣があまりない人の場合、汗腺のろ過機能が衰えてしまっている可能性が高いです。

すると、本来血管に戻すはずのミネラルが汗と一緒に流れ出てしまい、濃度が濃いベタついた汗になります。性質上蒸発しにくいため、本来の目的であるはずの体温調節もうまくいきません。

また、ミネラルが皮膚の常在菌と結合すると臭いを発する汗になってしまいます。

あなたの汗は大丈夫ですか?

女性

汗腺が衰えている人は、以下の項目のうち当てはまるものが多いかもしれません。

運動を取り入れて生活習慣を改善し、汗腺の機能を改善させていい汗をかけるようにしましょう。

  • 運動習慣がない
  • 車や公共交通機関で移動することが多い
  • 歩く機会が少ない
  • エアコンの効いた室内からあまり出ない
  • 体を冷やしやすい
  • 熱めのお風呂に浸かるのが好き
  • 汗がベタベタしている
  • 汗が大粒
  • 汗をかくと嫌な臭いが気になる
  • 汗が口に入ると、しょっぱく感じる

当てはまる項目が多い方におすすめしたいのが、有酸素運動。

血行を促進しながら運動不足を解消し、皮下脂肪や内臓脂肪にもアプローチできるため、汗をかきすぎる原因をしっかり解消できます。

ジョギングやランニングなど軽く息が上がる程度のものからスタートしましょう。

汗っかきには運動で対処!

冷え性や肥満と言った悪い汗をかきやすくなる原因は、元を正せば多くが慢性的な運動不足に直結するものです。

生活のなかにしっかり運動を取り入れるよう心掛け、健康にいい汗をかけるよう汗腺の機能を向上させましょう!